ちょっとブラックで気になっていたエドワード・ゴーリーの原画展が奈良県立美術館で開催されるとの事で小学校の修学旅行以来というのも相まって、旅行がてら奈良へ行ってみた時の記録です。
静けさの中の不条理──エドワード・ゴーリー展を訪れて
昨年の9月27日、奈良県立美術館で開催されていたエドワード・ゴーリー展を訪れました。
彼の絵は以前から何度か目にしたことがあり、「モノクロの繊細な線」「ブラックユーモア系の絵本作家」という、少し曖昧な印象を持っていました。ホラー味のある作風も、どこか美しいな…と感じるくらいの距離感。
でも、展示室に足を踏み入れた瞬間から、その印象は静かに、しかし確実に揺らぎ始めました。

小さな原画と静寂の空間
原画の小ささにまず驚きました。はがきサイズほどの作品が多く、緻密な線で描かれた世界は、至近距離で目を凝らさなければ見えないほど。
ガラスのショーケース越しに、静かに、じっと見つめるしかない。
会場全体が「シーン」という言葉そのもののようで、誰もが息を潜めるように作品と向き合っていました。
絵本への固定概念が崩れた瞬間
そして、絵本というものに対する私の固定概念も、見事に覆されました。
ゴーリーの作品には、子どもが主要な登場人物として描かれているものが多くあります。
けれど、その子どもたちは次々と不幸に見舞われ、死んでいく。しかも、それは救いようのないほどに残酷で、冷淡で、ユーモアや愛といった要素は見当たりません。
いや、韻を踏んだ言葉遊びは盛り込まれていてユーモアはあるのかもしれませんが
私はとても笑えなかった。
私は正直、精神を病んだ作家なのではないかと感じてしまうほど、おぞましい気持ちになりました。
これは、子どもが読むべき絵本ではない──そう強く思ったのです。
もちろん、ホラー的な展開はある程度予測していました。
でも、その中に何かしらの温もりや皮肉めいた笑いがあるのでは…と勝手に期待していたのは、私の先入観だったのかもしれません。
ゴーリーという人物への理解
ただ、展覧会を見終えたあと、エドワード・ゴーリーという人物について少し調べてみると、私の中にあった「精神異常ではないか」という印象は、まったくの誤解だったことに気づかされました。
彼は少年期から芸術的な感性を発揮し、猫をこよなく愛し、バレエや演劇、ファッションにも深い関心を持っていた人だったそうです。
猫を題材にした作品も多く描いていますが、驚くことに、作品の中で猫を一匹も死なせていないのだとか。
その事実を知ったとき、彼の作品にある「不条理さ」は、単なる残酷さではなく、現実の世界に確かに存在するもの──
私たちが目を背けたくなるような事実を、彼は包み隠さず描いているだけなのだと感じました。
誰もが見たくない、知りたくない、けれど確かに起こっていること。
それを、ゴーリーは声高に叫ぶのではなく、静かに、乾いた筆致で描き続けていた。
それは、現実に対する誠実なまなざしだったのかもしれません。
飄々とした生き方と冷静な観察者
彼は生涯独身で、子どもも持たず、自分の好きなものにしか関心を持たなかったようです。
プライベートについてもほとんど語らなかった。
バレエの観劇には夢中になり、猫たちと暮らし、飄々とした空気をまといながら、淡々と作品を描き続けた。
人間なんて、結局みんな残酷で冷たいもの──
そんなことを、彼は激情ではなく、静かな観察者として描いていたのだと思います。
私自身との重なり
こうして一年経って振り返ってみると、私自身にも重なる部分があるように感じます。
私も純粋に独身で、子どももいません。そして正直、自分の好きなものにしか興味がありません。
職業は介護士ですが、世間が抱く「優しい仕事」「穏やかなお年寄り」というイメージとは裏腹に、現場では不条理な場面に多々出会います
。
人間の現実とは、そんなものです。嫌悪感を覚えることも少なくありません。
それでも、私は自分の誠実さだけは頑なに守ってきたつもりです。
だからこそ、目の前に繰り広げられる不条理を、淡々と見つめてきた──
その点では、エドワード・ゴーリーに近いものがあるのかもしれません。
あなたの目と心で確かめて
エドワード・ゴーリー作品を子どもに見せる前に、必ずしっかり検討してください。
正直、子どもに見せて良いかどうかは、私にもわかりません。
少なくとも「普通の絵本」ではないことを、ここで喚起しておきたいと思います。
あえて、具体的な作品の紹介はしないでおきます。
気になる方は、ぜひご自分の目で確かめてみてください。
そのとき、あなた自身の感情がどんなふうに揺れるのか──それもまた、ゴーリー作品の一部なのかもしれません。
奈良ロイヤルパークホテル
奈良公園散策
さて、エドワードゴーリー展をみて、何となくもやもやした気持ちを引きずりながら奈良公園を軽く散策。
とにかく至る所にシカ!しか!鹿!
そして外国の方々で溢れていました。
正直、鹿の匂いはちょっとしんどかったですね。

サウナが目玉の奈良ロイヤルホテル
こちらのホテルは奈良公園などがあるエリアからは少し離れていますが駐車場もありサウナがあるという事で宿泊することにしました。
日帰り入浴できる施設にもなっており男女ともにサウナがあるのですが、
HPに写真のあるフィンランド式サウナは残念ながら男性浴場のみです。
それがちょっと残念ポイントでした、サウナをかなり楽しみにしていたのでね。
女性のほうにもサウナはありますが昔ながらの昭和感あふれるサウナでした。
ちなみに外気浴ゾーンはないので普通に浴室の中で休憩です。
ただ、ちょっと面白かったのは歩行浴槽があったこと。
他のお客さんがいないときにめっちゃ泳いで一人で遊びました。
一応お湯は天然温泉になっています。
オータムビュッフェ

サウナの後にメイクして出かけるのは面倒だったのでホテル内のビュッフェで夕食にしました。
ビュッフェはオータムビュッフェという事で秋の地元の食材を使ったメニューとの事でしたが、
正直、HP掲載の写真と見比べると6割くらいかなという充実感でしたね。
デザートやフルーツも少なかったので¥4500というお値段からするとちょっと物足りないかなあという印象です。
飲み放題は¥1500円でこちらは地酒などもあり豊富でしたのでまあいいかなと。
まあ、おひとりさまで外に出ずにゆっくりリラックスしながら食べて飲んでという点では良いかなと思います。
豪華な朝食ビュッフェ

夜のビュッフェがまあまあだったので、正直期待していませんでしたが
朝のビュッフェがかなり良かったんじゃないかと思います。
奈良のご当地メニューが盛りだくさんで、茶粥、素麺、柿の葉寿司、大和野菜などなど種類豊富で
もちろん洋食もしっかり用意されておりました。
ドリップコーヒーはカップに入れてお部屋への持ち帰りもオッケーで嬉しかったですね。
奈良ロイヤルホテルまとめ
立地的に観光中心地から離れていることもあり外食はしにくい場所にありますが、マイカーで宿泊してホテルの中で食事をする前提が妥当かなと思います。
ホテル併設の中華料理屋日本料理のレストランもあるのでもうちょっと贅を尽くして食で満足したいならそちらの選択肢もありかもしれませんが、おひとりさまなら気軽にビュッフェで十分じゃないかなと思います。
ちなみに売店はありましたがお土産など商品はさほど多くはありません。
館内の施設はゲームコーナーやカラオケもありませんがおひとりさまには必要ないかもしれませんね。
宿泊費はスタンダードダブルでサウナとビュッフェと飲み放題と朝食が付いて
一泊 約¥18000
まあまあじゃないかな?と思いました。
このあと2日目は春日大社や奈良の大仏へ小学校の修学旅行以来の王道観光地へ。
その様子は次回の記事で!ではまた!



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