内宮での参拝を終え、宇治橋を渡って日常の気配が少しずつ戻ってくる。
五十鈴川のせせらぎと、境内の静けさの余韻を胸に、そのまま足はおはらい町へと向かった。
ここからは、伊勢らしい賑わいと、美味しいもの、そして思いがけない出会いに恵まれた時間の話。

年末伊勢の人波と、赤福ミッション
内宮参拝の厳かな世界から一気に人間の営みの世界へ
おはらい町へ入っていくと、ものすごい!
人人人!
わー、やっぱり年末の伊勢はすごいなあと、ただただ圧巻の人込みでした。
両親へのお土産に赤福を買うというミッションに意気込んでいたものの、赤福本店はものすごい行列。
うう~ん、赤福どうしよう……と思っていると、隣にいたファミリーの若い夫婦の会話が耳に入りました。
「とりあえず岩戸屋があったら入ろう!」
ほぉ、岩戸屋?
すると視線の先に「岩戸屋」の赤い文字が見えて、思わず吸い込まれるように入っていきました。
岩戸屋で見つけた、初めましてのお土産たち
岩戸屋さんはかなり立派な店構えで、さまざまなメーカーの商品を扱う一大お土産屋さんでした。
……ただ!
赤福は扱っていませんでした。
しかし、こちらにあったのは岩戸屋さんの代表銘菓「岩戸餅」なるもの。
初めましてのお菓子でしたが、買ってみることに。
こしあん入りのおもちに、きな粉がまぶさった甘さ控えめの上品なお餅で、とても美味しかったです。
そして職場用のお土産に選んだのが、「神々の米(ごめ)」という、なんともありがたいネーミングのお菓子。
んー、これは何というのかな……。
長野県の「雷鳥の里」っていうお菓子、ご存じですか?
あんな感じの瓦せんべい風の記事にホワイトチョコレートが挟まっていて、表面に細かい玄米茶の煎り米のようなものがくっついている、というイメージのお菓子でした。
ありきたりでなく、正直な感想としては結構おいしかったです!
お値段もすごくお手頃で、10個入り¥870。
これはバラマキお土産にすごくいい。
赤福は赤福。並ばない勇気も大事
岩戸屋さんでお土産をゲットして少し歩いていると、昔ながらの地元のお土産屋さんの入口に赤福の販売所があるのを発見。
正直なところ、
どこで買っても赤福は赤福!
並ばず買える小さな販売所で無事赤福を購入し、ミッションはクリアしました。
松阪牛ランチへ。お腹は正直です
「松阪まるよし」さんの「松阪牛焼肉御膳」

さて、時はAM11:00。
まだ少しお昼には早いですが、お腹はすでにペコペコです。
内宮お参り後のお目当てランチは、松阪牛の専門店
「松阪まるよし」さんの「松阪牛焼肉御膳」。
前回の滋賀旅で、いわゆる近江牛は食べ逃したものの、国産黒毛和牛の赤身肉の美味しさに目覚めた私は、霜降りではなく松阪牛の赤身肉が食べてみたいと思ったのです。
並んでも食べたい、キングオブ牛!
まるよしさんでは、松阪牛の肩・モモなどの赤身肉100gのランチが¥3,630でいただけるとのこと。
「並んででも食べよう」と心に決めて到着すると、テイクアウトの松阪牛コロッケには行列ができていましたが、レストランのイートインは待ち5組ほど。
チャンスです!
しっかり名前を書いて、待ち時間20分ほどで店内へ。
レストランは全席4人掛けで、隣との間隔もゆったり。
とてもリラックスして食事ができる空間でした。
焼き加減の反省と、それでも美味しい松阪牛

早速、生ビールと松阪牛焼肉御膳を注文。
焼肉は陶板焼きタイプで、固形燃料で焼くスタイルでした。
なんとなく「固形燃料って肝心なところで終わっちゃう気がする……」と思い、焼ききれなかったら困る!と、3切れずつ焼いてしまいましたが、これはちょっとミス。
かなり火が通ってしまい、ウェルダンに。
もう少しミディアムレアくらいで、一枚ずつ食べたほうがジューシーさがあって美味しかったなあと反省。
で、肝心の固形燃料はどうだったかというと——
食べ終わったころにも、まだ三分の一ほど残っていました。
ちゃんと最後まで美味しく焼けるように考えられているのですね。
そりゃそうですよね。
とはいえ、しっかり焼いたお肉も、和牛の旨み豊かで芳醇なお味であったことは間違いありません。
念願のブランド和牛・松阪牛を味わうことができて、
満足、満足でした。
おはらい町後半戦
〜人波から、日本酒と甘味へ逃避行〜
まるよしさんを出ると、やはりおはらい町はとにかく
人人人の濁流。
正直、人込みはとっても苦手な私。
ちょっと歩いた先に、下宮近くの「嘉市」さんのランチでいただいたお酒
**「白鷹」**のショップを発見しました。
お正月用に、伊勢神宮奉納酒と同じものを購入。
映えよりも、やっぱり日本酒

再び歩き始めると、両脇には映えグルメのお店が色とりどりに並んでいましたが、
正直いまいち興味がわかないなあ……と、やや足早に。
すると、日本酒の立ち飲みスポットを発見!
これは寄りたい!
またしても吸い込まれるように入っていきました。
伊勢萬で、ぐい飲み一杯の幸福

訪れたのは「伊勢萬」さん。
どうやら老舗の酒蔵のようです。
伊勢萬は紺地に白抜きの暖簾がかなり渋く、軒下にかかった注連縄や大きな杉玉、酒樽と、蔵元らしい雰囲気抜群。
店内は一本の長いカウンターの向こうに酒蔵の様子がちらりと見えて、臨場感がありました。
店内でチョイ飲み。
「おかげさま生原酒」を、ぐい飲み¥300でいただきました。
目の前でぐい飲みに並々と注いでくれて、お店の方が
「まず、持たずに一口吸ってください」と。
そのあと、店内のベンチに座ってゆっくりいただきました。
生原酒、酵母が生きている感じで、口に含むと微かに弾けるような感覚。
とにかくフレッシュ。
日本酒らしいキリッと引き締まった辛口感がありながら、
舌を包むまろやかな米の甘みも感じます。
お口の中で味わいが変化していく感じ、と言えばいいのでしょうか。
とにかく美味しくて、しっかり酔いました。
あとで調べてみたところ、伊勢志摩唯一の蔵元だそうです。
すでに白鷹さんで一本買ったあとだったので瓶では購入しませんでしたが、
**買っておけば良かったなあ……**と後悔。
次こそは、ぜひ購入したいと思います。
日本酒のあとに、和菓子という正解
焼きたて「どら」の甘い誘惑

ぐい飲み一杯の日本酒でかなりいい気分になり、再び歩き始めると、
老舗っぽい地元感のある小さな和菓子屋さんの店頭に
花びら餅が並んでいるのが目に入りました。
ああ、お正月のお菓子だなあ、いいなあ。
店内を覗くと、色鮮やかな生菓子がずらり。
何か買いたいなあ……と見ていると、
ふわっと甘い香りが漂っていることに気づきました。
ふと横を見ると、
**「焼きたてどら焼き」**の実演販売!
お酒のあとの甘いもの、最高です。
焼きたてどら焼きと、謎のエピス

焼きたてどら焼きと、ショーケースにあった
「エピス」というスパイスどら焼きなるものを購入。
焼きたてどら焼きは、卵たっぷり感のあるカステラ生地がほわほわ。
中の粒あんも甘さしっかりながらくどくなく、
食べ歩きで幸せの極みでした。
「エピス」は翌日にいただきましたが、
生地にスパイスが効いていて、中には干しイチジクがごろっと。
異国感のある、なんともミステリアスなどら焼き。
こちらもかなり美味しかったです。
伊勢名物・利休饅頭の老舗「藤屋窓月堂」

和菓子屋さんの看板には
**「伊勢名物 利休饅頭 藤屋窓月堂」**の文字。
なんとも風流な屋号です。
木の看板には時代の流れを感じる貫禄があり、
こちらも後で調べたところ、明治元年創業とのこと。
文明開化の匂いがする老舗ですね。
ちなみに、購入した「エピス」は正式には**「どらエピス」**。
エピスとはフランス語で「スパイス」という意味なのだそうです。
こちらは伊勢の人気フレンチレストラン
**「ミュゼ・ボンヴィヴァン」**とのコラボブランドで、
「月と犬」というシリーズの商品。
めちゃめちゃおしゃれです。今度はこちらのレストランにも行ってみたいです。
次は、導かれる神様のもとへ

伊勢旅もいよいよクライマックス
美味しいものと小さな出会いに恵まれたおはらい町。
この旅も、誰かにそっと導かれているのかもしれない。
そんな気配を胸に、
次はこの旅の締めくくり、
猿田彦神社と月読宮へ向かいます。

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