音羽山観音寺 桜井市観光協会ツアー
2024年11月28日の旅の記録です。
一年前のことですが、NHK BSで放送されていた「やまと尼寺精進日記」で有名になった奈良県桜井市の音羽山観音寺へ、桜井市観光協会主催のツアーにおひとりさまで参加してきた記録です。
ちょっと前のことなので、覚えているところを中心にその時のことをまとめてみたいなと思っています。
コロナ禍の影響でこの頃にはすでにリアルタイム放送は終了していて、何気なく再放送を見ていました。この番組もずっと見ていたわけではありませんが、女性三人が季節の食材を調理したりしてワイワイ楽しそうな様子を見ていて、「楽しそうだなあ」と思っていました。
ツアーへの参加を決めたきっかけ
「ああ、音羽山観音寺行ってみたいなあ」と思って何となく検索してみると、桜井市観光協会が主催する音羽山観音寺を訪れるハイキングツアーが開催されるという情報を見つけて、「よし!行ってみよう!」と思い、早速申し込みました。
ご住職が作る精進料理のお弁当付きということで、番組の中で料理がとても美味しそうで「食べてみたいなあ」と思っていたので、これが食べられるなんて嬉しいなあ。お寺よりもお弁当目当てで申し込んだことを思い出します。

桜井駅からハイキングスタート
当日、名古屋から始発の近鉄特急に乗って桜井駅まで行きました。確か9時30分頃に桜井駅に集合だったように思います。
桜井駅で観光協会の方々やほかの参加者の方々と集合し、路線バスに乗って音羽山観音寺最寄りのバス停で下車しました。
当日朝は小雨が降っていましたが、到着するとさわやかな秋晴れに。バス停から少し歩いたところに、可愛いご住職とお寺の看板があり、ここからハイキングスタートです。

看板と急坂の道
バス停から20分ほど集落の中を歩いたところに駐車場があり、車で訪れる場合はその駐車場がスタートになります。
「やまと尼寺精進日記」の可愛い看板が迎えてくれました。番組の中でお寺のお手伝いさんだったまっちゃんが描いたものなのかな?確かイラストレーターとしてお仕事をしていた方だったと思います。
もう一人、心理士で当時副住職だったじとうさんが居ましたが、お二人ともすでにお寺を卒業されていて、今はご住職おひとりでお寺を守っておられるそうです。
この看板から先は、しばらく急傾斜の坂道をひたすらに上っていきます。想像していたよりも急傾斜だったのと、落ち葉などで道が滑りやすくなっていたので、普通のスニーカーよりも登山やハイキング用の靴のほうが楽に歩けたなと思いました。
そして、ハイキング用のストック(杖)は、できれば両手あると楽だと思います。

音羽山観音寺に到着
40分ほど歩き続けて、音羽山観音寺に到着しました。本当に山の中にある静かなお寺です。
基本的にはここまでの交通手段は徒歩ですが、ご住職や地元の関係者の方は四駆の軽トラで上ってきているようでした。途中、郵便配達の方に遭遇しましたが、原付バイクでここまで登ってこられていました。
軽トラにしろ郵便バイクにしろ、かなりのドライビングテクニックが必要と思われます。一般の方は乗り入れ禁止ですし、そもそも危険なので絶対徒歩で行きましょう。

本堂でのお参りとお土産
本堂の前にはご住職のパネルがお迎えしてくれます。到着し、早速本堂でお参りしました。
時は11月の下旬。山を登り汗をかいた体はあっという間に冷えていきます。想像以上に山の上は寒かったです。
登山用レインジャケットに薄手のダウンを持参しましたが、更にフリースを着てちょうどいいくらいだったなと思いました。
本堂の中で少しストーブであたたまり、お守りやお土産などいろいろ購入しました。
私はご住職手作りの交通安全のお守りや八味唐辛子、絵葉書と、音羽山観音寺のイチョウからとれる銀杏の餡が入った最中を購入しました。奈良県内の和菓子屋さんが作っているようですが、観音寺の限定品です。とても上品な甘さの最中でした。
ほかの参加者の皆様もたくさん購入しておられました。

秋の彩りと大銀杏
大銀杏の木は音羽山観音寺のシンボルです。番組の中では、この銀杏の実を三人でとってワイワイと仕込んでいく姿が秋の風物詩として描かれていたのが印象的でした。
この年も立派に黄金色の葉をつけ、輝いていました。

お寺には様々な植物の秋の色を見ることができました。赤、黄、紫、緑と深みのある秋の色どりが真言宗の色どりとリンクしてより厳かに感じました。

ご住職は草花がとても好きな方で様々な植物をめでておられるとの事。丁寧に手入れされた鉢がたくさん並んでいました。

看板県のオサムくん。この日は沢山の人が訪れたのでわんわんと吠えていました。たくさん人が来て怖かったのかな?でも番犬としてしっかり仕事しているな。番組の中ではまっちゃんがいつもお散歩していました。

精進料理のお弁当
お昼ご飯はご住職の精進料理のお弁当です。
仙台麩と筍・キノコの煮物は本当に美味しい出汁を含んで優しい甘さ。胡麻豆腐は濃厚な胡麻の風味。なすの田楽は手作りの南蛮味噌がとても合うし、お豆の入ったご飯も美味しかったです。
春雨サラダはご住職のお気に入りのお料理だそうで、さっぱり丁度よい甘酢で、とってもとっても美味しいお弁当でした。
もう、本当にこのお料理が食べられたことに感動しました。
境内のお庭でいただくので、この日は小雨で正直とても寒かったんですけど、観光協会さんがホッカイロをご用意くださったりと有難かったです。

ご住職のお話と下山
お弁当をいただいた後は、ご住職のお話を聞いて記念撮影をして山を下りました。
コロナ禍以降、お寺はご住職お一人になられましたが、地元の方々や信者の方々が一緒に支えておられるとのことでした。
長年飼っていた猫ちゃんが少し前に2匹とも亡くなったとのことで、さすがにご住職も寂しかったそうです。
にぎやかな三人組ではなくなった音羽山観音寺は、番組の印象とは少し変わって、静かなお寺という印象でした。

紅葉のピークと静かな帰路
11月下旬、紅葉のピークでした。
この後、ほかの参加者の方はさらにバスで上の方へ行って、もう一つ紅葉の名所のお寺へ行くとのことでした。その方がバスで降りてくるときに座って帰れるとのことでした。
私はというと、バスの本数が多くないので帰りのバスまで1時間以上待たなければいけないこともあり、雨もやんだので、散策がてら地域の風を感じながら1時間かけて歩いて桜井駅へ戻りました。

三輪での締めくくり
さらに電車で三輪へ行き、三輪素麺を頂きました。
上品で優しいお出汁とお素麺は、にゅう麺ながらもつるつると食感の良いお素麺でした。さすが三輪素麺。
最後は三輪大社でお参りをして、再び近鉄特急で名古屋へ戻りました。

旅を振り返って
この旅を振り返ってみると、ちょうどこのころは仕事を辞めて次にどうしようかと悩んでいる時期でした。
一人でツアーに参加してみたものの、人見知りの私はあまりほかの参加者の方とお話ししたいとか思っていなかったと記憶しています。
でも、山を登っているときに話しかけてくださる方もいて、なんかちょっとそんな人の温かさに涙が出そうになったのを覚えています。この頃の私は、心が弱っていたんでしょうね。
音羽山観音寺を訪れて、静かで厳かな空気が妙に落ち着きましたし、ご住職もおひとりでちょっと寂しそうだなと思ったものの、なんだか「人というのは本来孤独なものなんだろうな」と改めて感じたのを覚えています。
ツアーでありながらも、私にとっては静かなひとり旅だったなと思います。



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